失敗事例から学ぶ 不動産を相続する時のポイント
@つばさ資産塾セミナーより
大阪市内、家主であるHさん69才の相続事前対策に取り組んでいます。
昨年、癌になったことから、対策を打ちたいという依頼です。
1、不動産 相続税評価額 2億6400万
賃貸マンション1棟、駐車場(2F建て)、区分マンション、別荘
2、現金 3000万
3、生命保険 3200万
4、借入 1億3000万
現時点での相続税額は、約1500万。
年間返済額は、約1200万あり、税引き前CF(キャッシュフロー)は、年270万となり、
あまり現金が残っていない状況です。
分割、納税、節税対策を行う予定で進めておりますが、タイミングよく、銀行さんより、
節税対策として駐車場の有効活用はどうですか?という提案を受けました。
銀行さん主導の土地活用提案は安心か?
駐車場は相続税評価で約1億円です。駐車場に2F建ての倉庫兼事務所を建てませんかと
いう提案でした。延床面積は、110坪で、建築費は諸経費入れて、8000万。
建築費等で必要な8000万は、全額融資を行い、サブリース保証も付きますという
提案でした。
【収支予測】
年間収入 1100万
経費(OPEX) 430万
営業利益(NOI) 670万
返済(ADS) 300万
―――――――――――――――――――――――――――
税引き前CF(BTCF)370万
建物建築費(7400万)が相続税評価となり、約3000万程度まで下がるので、
節税対策になりますという提案。
しかし、現状の駐車場の税引き前CFを確認してみると、、
NOI 700万
OPEX 130万
―――――――――――――――――――――――――――
BTCF 570万
駐車場で貸している方が、現金が200万円、手元に多く残ります。
あれ、確かに、建物建築費7400万が相続税評価となり、約3000万に下がるけど、
今より年間CFが下がるとHさん、しんどいと思うのですが、、
という内容をお伝えして、土地活用は見送ることにしました。
専門家は、自分の専門分野で対策提案をしてきます
いろいろな提案を様々なプレイヤーが提案してきます。相続・活用・運用はトータルで考えていかないと良い結果になりません。
評価額を下げることばかりに注力すると、運用面で苦しくなったり、収益物件を売却しようと思ったら、空室の多い物件で、収益還元法により更地の金額よりも低くなったという事態にもなり兼ねません。
節税、活用、運用のトータルバランスを見ながら、対策を考えていくことをおすすめします。
株式会社つばさ資産パートナーズは
不動産相続・不動産運用・賃貸不動産再生・土地活用のコンサルティングを行っています。
お問い合わせはホームページから→【お問い合わせフォーム】
次回の第12回つばさ資産塾は、
「生前贈与を相続対策に活かすための10箇条」
講師:みどり税理士法人 代表社員・税理士 新谷達也
↓
▼つばさ資産塾