代表 岡原のブログ

金融機関からの相続対策提案を鵜呑みにしない

大阪 不動産相続コンサルティングの(株)つばさ資産パートナーズ 


大阪市内に賃貸マンションやアパート、駐車場を所有する家主Aさんから、コンサルティングを受けた事例をみていきたい。


【相談内容】
相談者Aさん:70才(相続人は子ども二人)
駐車場:170坪
賃貸純収益(NOI):780万円/年(経費を除いた金額)
路線価評価:9000万円
借入:無し
→自走式2F建で、収容力と稼働率も良いことから、稼ぎ頭となる不動産。


金融機関から相続対策として、駐車場に、倉庫兼事務所を建てないかという提案書をもらっている。建築費を全額借入することで、節税対策にもなると言われているが、本当に大丈夫かというご相談。

土地活用の提案内容(倉庫兼事務所)

【建物概要】
倉庫兼事務所
鉄骨2F建て、延床117坪


【総投資額】
9000万円(税込)
建築費、外構費、地盤改良、引込、諸経費含む



【借入】
9000万円、期間30年、金利1%
年間返済額(ADS):347万円



【投資分析】
●提案内容
一括借上げ20年、20年間家賃変動無しのシミュレーション

実効総収入(EGI):1150万円
年間経費(OPEX):230万円
賃貸純収益(NOI):920万円

年間返済額(ADS)-347万円

手残CF(BTCF):573万円



この提案内容を見てお気づきの方もいるかもしれませんが、


①現在の駐車場の手残CFの方が手元に現金が残る(差額207万円)
現在の年間手残CFが780万円で、倉庫兼事務所を建築すれば573万円
→年間CFが200万以上違う相続対策に意味があるのか??



②提案書は、家賃下落無しの20年収支となっている。
→家賃下落無しって、ホント⁈
※この提案書は現在のサブリース法案の前に受けたものです。


家賃が20%下落した場合の投資分析を行ってみると。。

●家賃20%下落した場合
実効総収入(EGI):920万円
年間経費(OPEX):230万円
賃貸純収益(NOI):690万円

年間返済額(ADS)-347万円

手残CF(BTCF):343万円



→家賃が20%ダウンすると、現在のCFの半分以下になるというシミレーションとなる。保有期間中の大規模修繕費を更に差引くとCFの数字はもっと悪くなる。



上記の提案を相続対策になるからと言って、普通に提案してくる。
現状よりCFが悪くなるとは一言も言わない。金融機関としては、担保さえ取れれば、後は知らないというスタンスのように見える。



また、建築会社は、表面利回りを良くするために、建築費等に消費税が含まれていなかったり、地盤改良費やインフラ引込費用等の費用が収支に含まれていないことがあるので、注意が必要だ。



そして、金融機関の決め文句はこうだ。


当行が全額融資をしますので安心してください」とのこと。




家主のAさんに、投資分析表作成して、説明したところ、
「即座に止めておきます」とのこと。



現在、継続して、Aさんの資産コンサルティングを行っているが、この駐車場は現状のままとし、他の手法で相続対策を検討、実施している。

提案書は分析をして良し悪しの判断を必ず行う


金融機関からの提案が全てダメというものでは無いが、数字を用いながら、分析して、実行するかどうかの判断を行うこと。


何も分析せずに金融機関が持ってくる提案書を鵜呑みにして、後々、後悔するような相続対策にならないよう、注意が必要だ。


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